愛と資本主義

古のオタクの記録倉庫です。

感想 酔うと化け物になる父がつらい 家族の呪縛に大人になっても苦しめられ続ける。

 

一時期ネットの漫画広告でよく出てた印象があります。

タイトルからして鬱。

 

 

■ 酔うと化け物になる父がつらい

池真理子

 

 

自分が親になってから毒親エッセイや体験談をよく読んでいます。

毒親とは縁はありませんでしたが、自分がならないよう反面教師にするつもりで。

文字通りどうしようもないクズ親もいるのですが、子供を愛していて暴走するタイプもいるので難しい。

 

 

こちらのエッセイに出てくるお父さんは重度のアルコール依存症です。

酔って潰れる、吐くなんてレベルではありません。酔って風呂で溺れる、飲酒運転して事故る、漏らす、最悪レベルのアルコール中毒

自営業で仕事に打ち込むので外面はよく、人望もありますが家族を全く顧みない父親。ちょっと昔の父親って感じです。

周りの大人もクズばかり。時代もあるかもしれませんが、子供がいる家庭で毎週麻雀大会とかスナック通いとか終わってる。それをニコニコ許す母親。時代です・・・

ただタイトルや表紙から連想される娘への性加害と暴力はありません。グロい性暴力描写がありそうで覚悟してたぜ。子供に介抱させてる時点で最悪に変わりないけどね。

娘に愛はありますが、興味が薄いように感じました。

気を病んだ母親は主人公が中学生の時に自殺してしまいます。

 

家庭環境が悪すぎて自己肯定感が極端に低く育った主人公。

付き合った男性もDVモラハラオンパレードのとんでもない男なのですが、なんと結婚寸前まで行ってしまいます。妹の言葉で目が覚めてくれて本当によかった。自己肯定感が低すぎるとこういうされても目が覚めないのか。危険ですね。

 

その後は実家で父と妹と過ごすのですが、ある日父親にガンが告知されます。闘病しますが治る事はなく、父は段々と弱っていき、お酒も飲まなくなります。

やっと父が酒を飲まなくなったのに、残された会社の債務整理や医療費を負担した主人公が可哀想ですね。

こんな父親に怒りを感じ、余命僅かな人相手に怒りを感じる自分にも憤りを感じる・・・怒りを感じるのは全然自然な感情だと思うけど・・・家族の事なので当事者の思いもありますよね。

 

 

酔いつぶれた親のどうしようもない姿って、子供の情操に相当悪いなと思いました。

こんな私でも、中3の時泥酔した母に理不尽にキレられたり暴れられた事を30代になっても鮮明に覚えています。吐しゃ物の片付けまでしたのに翌日の母は二日酔いで機嫌が悪く感謝の一言も無かった。この二日酔いで機嫌悪いっていうのが子供には理解できないので(大人も理解できない)。

 

帯にあるとおり、全ての「お酒を楽しんでいるつもり」のに読んで欲しい一冊でした。

家庭崩壊レベルのアルコール依存症はダメだな。