1年に1回くらい読みたくなる。
フランス革命を知るなら読んで欲しい漫画。
年末年始暇だったのでずっと漫画を読んでました。
数年ぶりにイノサンとイノサンRougeをぶっ通しで読みました。面白い。
フランスに実在した死刑執行人のサンソン一族のお話です。
イノサンは兄のシャルル=アンリ・サンソン、イノサンRougeが妹のマリー=ジョセフ・サンソンが主役となっております。
アンリ・サンソンはルイ16世やマリー・アントワネットの首を撥ねた人物として有名で、実在した歴史上の人物としてアニメやゲームのモチーフキャラが多くて知名度があるかと思います。
職業柄もあると思いますが、サンソン家の人々はみんな几帳面で記録を沢山付けていました。孫の代で回顧録を出版してめっちゃ売れたみたいです。
このサンソン回顧録を読み込んだ上で解釈して、超美麗作画で漫画として再構築されています。この描き込みって月間連載でもとんでもないっすね~サンソンもルイ16世もイケメンだなあ。
死刑執行人の話なので当然死体が出てくるし、拷問シーンもあるし、作画が美麗ですがかなりグロイです。
グロも多いしエロも多いです。シュールで思わず笑ってしまうエロギャグもあります。男同士、女同士もあります。昔のフランス人はエロ過ぎる。
全体的に抽象的な表現が多くて、漫画の中で真面目なシーンで急にミュージカルがはじまったりしますがそういうのが平気で歴史好きな人には刺さると思います。
ギロチンで切断されたバラの花束とか、凌辱される人形とか、死神とダンスとか、そういう抽象的なものから
マリー・アントワネットの王宮での人間関係をTwitterやインスタグラムっぽい画面で表現したり、母マリア・テレジアからの連絡がLINE風の画面で表現されたり。(亡くなったらUnknownになってるところまで。天才か!)漫画として画期的な表現だと思いました。


個人的に好きなのはダミアンの八つ裂き刑で現代っぽい私服のダミアンと現代フランスが映し出されるシーン。そして昔の服を着たアンリ・サンソンと向き合うところ。
時代が変われば、価値観は変わる。当時死刑に相応しいとされた罪も時代が変わればそうではない場合もあります。
恥ずかしながら、死刑に関わる人達の苦悩を考えたことはありませんでした。
アンリ・サンソンは死刑執行人でありながら死刑制度反対派だったそうです。死刑制度について色々考えてしまいます。
妹のマリーの方は完全に創作(一応史実としてはサンソン家の次女に同名の人はいたみたい)で、あの時代に女処刑人は実在しなかったようです。残念~
なのでマリーに関するエピソードは兄アンリ・サンソンのエピソードやフランスの史実と色々混ぜている印象ですね。それがまた面白いんよね。
ただの歴史漫画だったら大体の内容わかってしまいますからね。常に何するかわからない、物語にどう絡んでくるか謎の存在です。
最終章でマリーが囚われのマリー・アントワネットにセーヌ川の泥水を持ってきた時、「もしかして歴史変わるんか!?」と思ってしまいましたが、そんなことはありませんでした(笑)実に王族らしく、マリー・アントワネットらしい最期でした。
あ、昔のフランスのお話なので「マリー」とか「ジャンヌ」とかめっちゃ出てきます。特に女性があっちもこっちも同じ名前でややこしい。
イノサンを読了した後にルイ16世とアントワネットの息子・ルイ17世についてのWikipediaを数年ぶりに読んでしまい、大学時代に読んだ時よりだいぶマイルドになっていましたが結局3日くらい落ち込んでしまいました。
今は子供がいるので本当にキツいです。フランス革命の負過ぎる側面であり、決して許される事ではありません。
イノサンはフランス語で「無垢」、ルージュは「赤」を意味し、マリー編でフランス革命がはじまるので血を表しているんだと思ってたのですがこれは革命の赤とのダブルミーニングですよね。
国王を斬首して、無垢なフランスが誕生したわけだけど、しばらくは安定することなく沢山の人が死にます。
フランス革命って本当に血生臭い。でも歴史の勉強として大変興味深く好きなんですよね。大学の時もこの辺勉強してたので好きなんです。
新年早々フランス革命成分(なにそれ)が足りないので、また何か読み漁りたいと思います。

